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にほんしゅのせかい 言いたい放題


by sasatatsu

志太泉 純米酒「風神」

志太泉の純米酒「風神」について書こうとしている。今年度の「風神」は約1ヵ月前の入荷と記憶する。入荷日に早速利き酒をした。以来当方の頭の片隅にこやつめが住み込んで当方の酒体験の際にちらつく。と言うよりも「風神」の風合いが利き酒の際の標準メジャー(物差し)になっている。ところでメジャーと邦記するがmajormeasureの両者がオリジンである。大リーグ(メジャーリーグ)はmaで、物差しはmeの方だ。英語ネイティブは聞き分けられるのだろう。英会話で頻繁に取り上げられる「R」と「」の違いの類か。この問題点(問題と思わない向きは大半だろう)はAIがテクノロジー分野のみか哲学社会学の人文分野において必須手段とならざるを得ない現代日本で統一的な解決法の構築が喫緊の課題になる筈だ。AIの本質は圧倒的大量の情報を一定の法則性で纏め編集する事にある。地球規模で見る時情報の圧倒的多数は英語である。英語的思考で編集された情報を日本語に変換して読み取る。ここに二重のバイアスが掛かって微妙にオリジナルと違いがでる。科学技術の場合は言葉が定義する事実は一つゆえ英日変換時に齟齬は出にくい。一方人文分野においてはどうか。愛はloveと訳すが、キリスト教の聖書のloveは一般日本人が使う愛なのかという疑問が出て来る。政治分野で頻繁に使われる自由はfreedomlibertyだがどう違う。

厳密には「生成AI」と呼ぶべきなのだが、国際標準でみると「日本語ハンディキャップ」が発生するだろう。これについてパンピーに警告しているのは東大の伊東乾教授くらいしか知らない。結構深刻な問題だと思う。

脱線した。「風神」の風合いについてである。

基本的に「甘味」が背骨となる。40年に亘るSDの「ゲッペルス効果」で何時の間にやら「辛口」が肯定的価値観として刷り込まれたが、甘酒がベースの清酒は「甘味」が基底となる構造である。典型的な大粒軟質米たる愛山はモロミ中で溶け易い。愛山酒は一般的に甘くジューシィと言われるが現代吟醸に関しては愛山でなくても甘くジューシィになる。多くの吟醸にカプブリ酵母が使われる事が原因だからである。愛山酒の「甘・ジュ―」はその溶け易さ故デンプンの糖化作用が効率的に働く事から来る。「ジュ―」に関しては感応的には酸味が関連する。愛山の場合は甘味で輪郭がぼけ易くなる所、輪郭を浮き上がらせる作用を酸味が持つ。愛山酒における「甘・ジュ―」は双方が補完し合って個性と成った事例である。甘は軟質大粒が起因、ジュ―は特有の酸味が影響している。特有と記した。如何に、の解説が居る。愛山と言う酒米は山田錦と雄町が掛け合った山雄67と舟木雄町を親に持つ愛船117の掛け合わせが血統である。雄町の血が非常に濃い。雄町米の酒の特徴の一つに太く奥行の有る特有の酸味がある。愛山の酸は正しく雄町のそれのど真ん中と言える。この酸が味を引き締める。濃厚な甘味を太い酸が背後から支え味の輪郭を構築する。愛山酒の「甘・ジュ―」の構造である。ここまで書くのに2週間かかった。志太泉「風神」の奥深さを表現しきれない。正確には表現力不足である。先程(09/20)蔵から最後の在庫分「風神」が届いた。蔵内在庫が薄くて1.8Ⅼと720mlそれぞれ12本だけである。これだけ優秀な酒だもの売れちまうよな、と。金に余裕があれば今年の「風神」を利いた直後に「大人買い」出来たのにな等とふと思うが、そうなると今度は貯蔵スペースが足りない。店に外付けの冷蔵庫が・・・・。『足るを知る』は精神世界の言葉であるが、現実の物欲の次元でもある程度言い得て妙である。

この調子だと一般市場における志太泉「風神」は少ないかも。何処かで目にされた時は「是非とも買い」である。1.828007201450円前後と酒質から見れば「フトーに安い」。

繰り返すが語ろうとすればする程あれこれ語りたくなって納まらなくなる。乱暴だがこのままアップする。


by sasatatsu | 2025-09-20 16:24 | お勧め | Comments(0)