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にほんしゅのせかい 言いたい放題


by sasatatsu

愛山について

表題は「あいやま」と読む。酒米の名前だ。
この5年位雨後の竹の子宜しくあちこちで「幻の米愛山使用」なんてコピーを見るな。
そこにあるんだもん、なーーにがマボロシよ。米や酵母やそんなスペックというか記号でコーフンしてちゃいけないよ。
「自民党をぶっつ壊す」って言うオッチャンがいれば、「じゃ、おめーがジミン止めれば」と思うのがフツーだ。ジミンに入って代議士になり地方分権やりますってあんた。柳の下のどぜうジャマイカ。
話を戻すアイヤマだ。系統的には雄町の奇形みたいなもんだ。剣菱が40年余り契約栽培で守り続けた酒米だ。おいら思うに、
この米は粒が大きくて心白が出やすい、でもって溶けやすい性質がある。70%で生もと純米(剣菱の十八番)やるには最高の性質だ。そら剣菱さんこの米欲しがるさ。ただ雄町の系統だから背が高いおまけに大粒とくれば栽培しにくいね(すぐ倒れる)。山田錦ちゅう米もあるんだものなにも愛山を使う事もないと言う事で敢て欲しいと言う蔵はなかった。わざわざ剣菱が契約栽培しなくてはならなかった意味はここにある。
この事実をして剣菱が独占したとか、囲ったとか表現する向きもあるが、自腹を切ってオリジナリティを守ったと言うべきである。さて、
阪神淡路大震災を覚えてるか。自衛隊の出動が遅れたな。当時の首相はなんと社会党の村山だ。目の前で国民が家屋の下敷きで焼かれているのに反憲法的ジエータイは認めないってのがイデオロギーの奴隷社会党らしい。話が流れた。
この地震で剣菱もこの年の酒造を諦めざるを得なかった。契約栽培の愛山も買えなかった。その5年程後どういう訳か十四代で有名な高木酒造が中心で愛山を使う蔵が『酒道の会』をつくって「幻の米愛山使用」とぶち上げた。愛山の入手は合法的に行われた、なんて文章がWEB上に出て来る。剣菱は訴訟をした(商標権の侵害を理由か)と週刊東洋経済で読んだ気がする。ぶっちゃけ火事場泥棒ちゃうのか。といわく付きの米である。
今となっては余りに多くの蔵が使っているので『他所が使うのに俺んちも使って何が悪い』(おいらに向って斯く捨てぜりふった蔵元も居たぜ)だな。これをしてデファクトスタンダードまたはヤリドクといふ。せめて剣菱にリスペクトくらいはせいよな。上手く使って個性を出して飲み手が「嗚呼美味しかった」言う酒造るのが報いる方法だろうな。間違ってもマボロシの酒ゆうて高く売って儲けるなんざー罰が当たる。秋田では3年前に、雪の茅舎50%純吟1.8L 3,500円で造った。えらいやっすーで某酒蔵さんも『ベンキョウしてはりまんな』と感心した。酒は上品で『雪国の女』という幻想を連想しそうだ(表現がチト?)。な事言って居ったらなんと『ゆきの美人・純吟 愛山』が出てしまったぜ。秋田で最も小さい蔵(製造石高を公表している中で)竿灯だ。酒度+6、酸度1.7と言う事はかなり辛いハズ。呑んでみたが上品な甘みがあり如何にも愛山だ。データ上からは全く読めない味だ。甘い酒にありがちなキレの無さは感じない。55%精米で秋田酵母NO12との相性だろう。これで1.8L税込み3,360円だ。
マボロシブランドお高い商法をぶち抜いた。みんなが気安く愛山を楽しめる。蔵元兼杜氏の小林君は儲けたかったろうがこれでこそだ「いよっ!おとこだねーコバヤシ」。カーチャンえらい美人やがこれで許したる(ウン?)。パチパチ。
愛山について_c0155956_20301481.jpg

Commented at 2013-02-17 11:57 x
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by sasatatsu | 2009-06-29 20:34 | お勧め | Comments(1)