IE9ピン留め

今どきの新酒雑感  

2012年 02月 01日
外は大荒れだ。酷暑がどうたらこうたらとTVなんかが泣き言を言うが、厳冬と大雪は大雨による洪水被害に匹敵するかそれ以上に性質が悪い。
さて、言い訳は止めにして新酒についての雑感を書こうと思う。個々具体的な酒銘は出さない、何故か、意味がない事を痛感したからだ。
最近の新酒は洒落た物が多い。開栓すると同時にふわっと吟醸香が漂い、口に含むと「アワユキ」のごとき甘味が上あごと舌の中央から喉にかけてまとわり付き、飲み下せば旨味丸ごとすっと落ちて行く。新酒には必ず「麹ばな」と言う特有の香りが有るものだがそれすら感じさせないものが多い。科学的には存在するが吟醸香が高いためにマスクされているのかもしれないが、いずれにせよ感応しにくい。まあ良く出来ている。
一方で五味がばらばらで口の中で暴れまわり、鋭い酸が舌を刺し、飲み下す時も固体を飲み込むかのように抵抗あるものもある。一昔前まではこうだったような気がする。それでも楽しかった。新酒が生き生きと個性を主張しようと感じた物だ。暴れるやつを口の中で転がしているとニガ渋は秋になれば隠し味になりそうだ、とか、舌を刺す酸はその性質が綺麗ゆえに今は刺激的だが落ち着いて丸くなると酒の柱になるだけの力を感じるとか。「麹ばな」も混じって吟醸香としては判り難いがそれが沈めばさぞ爽やかに香り立つであろう。などなど、将来の成長を予感してその胚芽の存在を利きに行く事が楽しかった。
今は多くの新酒がすでに出来上がって香りや味をまとめ上げて主張する。酒の方から語って来る。少し前の新酒は製品としては半人前でこれからどう成長するのかをこちらから酒に向かって利きに行かなくてはならなかった。「搾りたて生原酒だって、お恥ずかしくて世に出せません」とはその昔、角田製造部長から言われた言葉である。
新酒にして完成形「風」の今時をみて角田さんはどうおっしゃるだろう。造り手の腕が上がったと思うだろうかそれとも早熟を嘆くだろうか。
或る酒について某有名利き酒ブログに「新酒独特のキツい酸味が口中を刺す。さらさらとして今が飲み頃。」と評価されていた。キツい酸味が口中を刺す酒が「飲み頃」なわけだ。同じものをおいらも新酒で頂いたが開栓時と翌日その後と時間の経過とともに酸も喉越し(サラサラ度)も変化し1週間で半年分の熟成を経験したようなお得感があった。
まったりとまとまっていないがゆえに「さあ、今日はどんな顔だ」と楽しみが有る、さらに加えて新発見が有るから飲み飽きしない。実は発展途上の舌を刺す酸がそうさせるのだがね。
5月の全国新酒鑑評会がゴールだからして、技術の向上に目を見張るものが有る。
しかしおいらは片目をつむるがね、うん。

# by sasatatsu | 2012-02-01 19:58 | 酒の味 | Trackback | Comments(0)

言い訳など  

2012年 01月 31日
ここしばらくブログの更新が無い。新酒が出てくる一方で、新酒ばかりでは面白くないと貯蔵物、熟成酒の紹介があったりと話題はいっぱいある。断片的に話題を紹介する手もあるが、肝心の話題を取り上げる際の感じ方に何かが起こっている。まことにカラスの勝手であるがおいらの中においてである。地酒と言う物に興味を持って多分だが20年経つ。毎年今頃の新酒の時期になると「さあ、どんなのが出てくるのだろう」と興味が向かった。ここ最近は醸造学の泰斗と言われる坂口謹一郎先生の講演集「古酒新酒」を読み直したり、だれかに貸して行方不明の農口尚彦杜氏の口述本「魂の酒」をオークションで落としてもう一度読み直したりと我ながら不思議な行動が多い。「古酒新酒」は38年前の講演論集だし、「魂の酒」は03/12/10に第一刷だからこれも10年近く経ている。
坂口博士はその地位からすれば日本酒鑑定官の親玉と言うか日本酒行政やその醸造に関係する中枢の人間に大きく影響したであろうと思う。農口杜氏にしてもいまだ現役で後継者を育てられてはいるが能登四天王と言われた天狗舞の中氏、満寿泉の三盃氏、開運の波瀬氏、等に多大な影響を及ぼしたと聞く。坂口博士は38年前に全国新酒鑑評会の弊害を説き、農口杜氏は10年前に米の磨きすぎと熟成を大きく話題にしている。この業界は進化というか進歩したのかどうか。
昨年あたりから弊店の様な「入り難い」店においてさえ「日本酒に興味が有って」と尋ねてくれる人が増えた。明らかに従来の日本酒ファンで無く新しく日本酒に興味を持った消費者が増えている。有りがたい事である。我田引水のきらい無しではないが今の日本酒の姿は長い歴史の中で完成形になった江戸後期からそれを発展させた現代までを実体験できる稀有な時代に有る。非常に面白いと思う。居ながらにしてタイムトラベルが出来るのだからして。
そこで思う、おいらに何が出来るかだ。登山口の見えない大きく深い山を前にうろうろしている気分だ。誤解されては困るのだが、何かをして見せようとかそんなんじゃ無い。そろそろお迎えを受け入れなくてはならない齢と利き酒能力の劣化を実感して立ちすくんで居ると言うのが実態なわけだ。
元旦や 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし
一休禅師の万分の一程の丹力でも有ればと思う。

# by sasatatsu | 2012-01-31 20:38 | いいたい放題 | Trackback | Comments(0)

志太泉純米活性濁り23BY  

2012年 01月 20日
必ず多少は噴きこぼれます。開封に自信のある人のみご購入ください。と商品説明に赤字で強調してある。さらに説明の最後には「特に1.8Lは開栓に危険がございますが、くれぐれも危険をご承知の上ご購入ください。とこの部分はブルーで強調してある。小売店向け商品説明の一部である。
志太泉 蔵出し濁り酒 純米生原酒である。法律(酒の場合は酒税法)上は清酒とは米、米麹及び水を原料として発酵させてこした、もの。とある。濁り酒と濁酒(どぶろく)の違いは法律の定義からは濾してあるか否かにある。濾す作業なしで瓶に詰めれば原則として違法になる。では市場に出回る「にごりざけ」は違法なのか。あれはあれで「濾す」作法(作業は結果が出ないとそれでは無い)を経ているのである。非常に粗いメッシュの「ざる」を通過させていると想像してほしい。いまはもっと合理的な方法かもしれないが、その昔秋田で本格的な活性濁りを造った蔵の社長からはこう聞いた。文字通りの「ざる法」である。法が現実に合わないのなら法を変えるべきと思うが・・・・。この議論を始めると危険がアブナイので。
法の裏をかきなおかつ取り扱いに非常な注意を要する、そこまでして製品にする価値があるのか。言い換えれば「旨いのか」と言う事になる。酒の小売り屋が「不味い」と言うわけがない。そもそも紹介なんぞしないもの。要点は「どう旨いか」である。
酒の場合まず香りである。静岡酵母NEW-5による爽やか且つ瑞々しい『草食系』である。濁り成分は通常の濁り酒と比べてもかなり多い。口当たりはヨーグルトを少し薄めた感じで液体と固体の中間風である。不思議な事にくどさは感じない。蔵元も案内に記すが、自然に杯が進む。いたずらで少し加水してみた。味香り共により鮮明に感応する。
最大の課題は安全に開栓する方法である。スクリュウキャップの720mlはキャップを緩めたり締めたりの繰り返しで内圧を抜く。1.8Lの場合はロックのかかった王冠をそのままにしアイスピックか千枚通しのようなテーパー状に細く鋭い物で刺し、それをゆっくり引き上げたり押し込んだりでじっくり内圧を抜くのが最も安全だろう。
全量山田錦の60%精米。事実上の純米吟醸規格である。大濁りにしても飲み飽きのこない爽やかさ。不思議と言えば不思議である。
1.8Lで2700円720mlで1350円(共に税抜き)が希望小売とある。


# by sasatatsu | 2012-01-20 20:28 | お勧め | Trackback | Comments(0)

美酒の設計23BY新酒  

2012年 01月 19日
美酒の設計純米吟醸の23BYが出荷された。22BYから規格が全量山田錦の55%へと変更された。ここの杜氏の考えで麹には最高の酒米である「山田錦」を使い掛け米に蔵人が栽培する「酒こまち」はじめ秋田の米を使うと言うのが原則になる。山田錦と言う米は晩生であり西の方が主産地となる。さらに倒れやすいなど諸条件から秋田ではそんなに自由に使える米では無い。
この蔵の鑑評会用出品酒は全量山田錦なのだが、もっぱら出品用の規格であり35%前後の高精白となる。55%位のいわゆる中吟醸クラスに全量山田錦の製品が無い。あえて全量山田でなくとも全国市場で戦える酒質を造ってくる名杜氏の存在が大きい。ではあるが、あの名人が中吟醸クラスで全量山田錦に挑戦すればどうなるか、と言う楽しみと言うか興味は以前から言われていた。
秋田酒の中である意味尖って来た「美酒」を別の境地へ発展させよう、と考えたのが「新美酒の設計」である。特別な哲学の蔵は別にして、それなりの地酒蔵は全量山田錦の50%~55%の一般市販酒を持っている。その意味では全量山田錦規格と言うのは各蔵の個性を利き分け易いとも言える。
名杜氏高橋藤一氏に存分に腕をふるってもらおうと考えた。以前までの「美酒」はその尖がった姿勢から杜氏先生も「造る時に緊張する」と伺った覚えがある。「新」では杜氏に自由に遊んでほしいという思いも込めてスタートした。22BYは試験的に小仕込みで始めた。量が少なくてお客様にご不便をかけたが、23BYからはこの蔵の普通の吟醸仕込みタンクである程度の量を確保した。
ただ、お酒の本来の姿は火入熟成であるという「美酒」の持つ伝統は承継したい。約1/3は新酒生で出荷するが残りは熟成具合を見て出荷する。飲み頃が早く来ればそれに合わせて、反対に熟成が遅ければ待ってもらうかもしれない。
酒を語る事ほど無粋な事は無いので興味のある向きは取り扱い店でお求めいただきたい。そして、「新酒でこの風合いなら熟成するのは・・・」と、想像していただきたい。熟成は第二の醸造とすら言われる。この酒がどのように進化するのかそれを楽しむためにも新酒生を。蔵の方もそのつもりで熟成に工夫を凝らすだろう。
1.8Lの希望小売は3300円(抜き)720mlで1650円(抜き)辺りになる。

# by sasatatsu | 2012-01-19 20:34 | お勧め | Trackback | Comments(0)

ブラックジョーク  

2012年 01月 17日
ユウチューブで見た「どぜう」の街頭演説である。ご丁寧に文書に起こしてあった。
以下それをコピペする。

マニフェスト、イギリスで始まりました。
ルールがあるんです。
書いてあることは命懸けで実行する。
書いてないことはやらないんです。
それがルールです。

書いてないことを平気でやる。
これっておかしいと思いませんか。
書いてあったことは四年間何にもやらないで、
書いてないことは平気でやる。
それはマニフェストを語る資格がないと、
いうふうにぜひみなさん思っていただきたいと思います。


その一丁目一番地、税金の無駄遣いは許さないということです。
天下りを許さない、渡りは許さない。
それを、徹底していきたいと思います。

消費税1%分は、二兆五千億円です。
十二兆六千億円ということは、消費税5%ということです。
消費税5%分のみなさんの税金に、天下り法人がぶら下がってる。
シロアリがたかってるんです。
それなのに、シロアリ退治しないで、今度は消費税引き上げるんですか?
消費税の税収が二十兆円になるなら、またシロアリがたかるかもしれません。
鳩山さんが四年間消費税を引き上げないといったのは、そこなんです。
シロアリを退治して、天下り法人をなくして、天下りをなくす。
そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしいんです。
徹底して税金の無駄遣いをなくしていく。
それが民主党の考え方です。

こういうのを「ブラックジョーク」と言うのだろうね。

# by sasatatsu | 2012-01-17 14:08 | いいたい放題 | Trackback | Comments(0)